食品カードゲーム

【1】 目的
子供が食の安全についての理解を深めることは非常に重要です.複雑化し流動的な現代では,単なる知識の習得だけで対処することは不可能になってきました.不確定なリスクに対する考え方,対処の方法,コミュニケーションによる情報取得などを総合的に学ぶ必要があります.
2次元イメージ展開法は,まさにこの必要性に応える手法です.「2次元イメージ展開法をゲーム形式で展開することにより,さらに効果的に学ぶ手法が可能となる」という仮説をたて,新しいゲームの開発を行いました.その概要を紹介します.
 
【2】ゲームデザイン
まず,開発するゲームに課する条件を,以下のように絞り込みました.
  1. 2Dイメージ展開法のプロセスに順ずる.
  2. 所要時間も同程度.
  3. 初めてでも,やり方がすぐに理解できる.
  4. ゲームとしての面白さがある.
  5. 効果評価の実験的検証が可能.
以上のうち,まず3の条件を重視し,一目でやり方がイメージできるものとして,カードゲームを選択しました.
 
【3】ゲームの内容
食カード(45種.95x65mm) 4人(ゲーム参加者)分=120枚(枚数は食品に依存)を用意.
 

1. ゲーム開始の状態

4人で,テーブルを囲みます.
親は,カードを良く切った後,全員に7枚づつカードを配ります(face down).
残ったカードは伏せてテーブルの中央におきます(場札).
 
各メンバーは,7枚のカードを見やすく持ちます.
 

2. カード集め

これから,良く食べる食品のカードを集めていきます.自分のもっているカードについて,良く食べるものから,あまり食べないものの順に並べておきます.
最初に親の人が場札の一番上から一枚カードを取ります.そうするとカードは,8枚になります.それの中で,「良く食べる7枚のカード」を残してください.別の言い方をすれば,一番食べないカードを場に捨てます(face up).
 
 
この図の場合は,場札から「ラーメン」のカードを引きました.8枚のカードの中で,「やきとり」が一番食べない食品だったので,そのカードを場に捨てました(表向き).
もし捨てられた「やきとり」のカードが欲しい人は,それを拾うことができます.速いもの順です.拾った人は,カードが8枚になるので,一番食べない食品のカードを捨てます.
この捨てられたカードの扱いも同様です.誰も捨てたカードを拾わない場合は,最初に場札を拾った人の時計回りで次の人が場札の一番上のカードを一枚引きます.
以下同様です.場札がなくなったら,おしまいです.

3. カードの当てっこ

手元に残っているのは,その人が良く食べる食品のカード7枚です.これを良く食べる順に並べなおします(左にいくほど良く食べる順).並び終えたら,カードを伏せてテーブルに並べます.
テーブルにカードを並び終えたら,他の人が持っているカードの中身を当てっこをします.
まず,親のカードの一番食べている食品を当てます.当たったら,そのカードを表に返します.他の人も,同じ食品カードを持っていた場合は,それを表に返します.
次は,時計回りで次の人の番です.これを順に繰り返し,一番食べる食品,次は二番目,という要領で,全部のカードを当てていきます.

4. 2次元マップ

カードは,食品を良く食べるという軸上に配置されています.これを横軸と呼ぶことにします.次に縦軸を設けます.これは,「その食品を安心して食べる」か「その食品をちょっと心配して食べる」という軸です.手前が「安心して食べる」に対応させます.
横軸の位置はそのままにして,全てのカードを縦軸上に配置していきます.2次元マップの詳細については,こちらを参照してください.

5. 振り返り

2次元マップは,自分の感じ方・考え方を表したものです.今一度,じっくりマップを眺めて,自分自身を振り返ります.

6. 2次元マップの交換

向かいの人同士で2次元マップを交換し,相手のマップを良く眺めます.その後,自由に対話してください.お互いの違い,同じところなど話し合います.

7. 自由会話

ゲーム全体を通じて,感じたことなどを自由に話し合います.
 
【4】ゲームの効果
小学生を対象とした,効果評価実験を行いました.現在,論文執筆中.
 
*2007年度厚生科学研究費補助金(食品の安心・安全確保推進研究事業)食品の安全についての普及啓発のためのツール及びプログラム開発に関する研究の一環として,福岡大学医学部公衆衛生学教室株式会社ACORDOがと共同で開発したものです.
 
 
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